田中の胃袋in the city

主にホテルやUSJ、映画やゲームについて書きます。稀にそれ以外の題材も扱いますが、基本的にエンタメ重視でやっていきます。

新作映画決定!ワンピース史上最も"異質" 狂気のホラー映画を振り返る!

8/25日放映の「ワンピース エピソードオブ 空島」終了後に、

 

新作映画 制作決定!2019年、夏に公開予定!

 

という告知が出て大変テンションが上がりましたね。

 

FILMシリーズと言えば、尾田栄一郎がガッツリと絡み、毎年量産する方針から時間を掛けて制作する方針に切り替え、興行収入も10億前後から50億近くまで伸びたワンピースの一つの転機です。

 

過去の映画は見ていないけど、FILMシリーズだけは見ているという人もいそうですね。実際ストロングワールドからワンピースというタイトルの人気が爆発したのも事実だと思います。

 

さて、そんなワンピースですが、FILMシリーズの最新作が決定した今だからこそ興行収入が10億前後だった時代の映画について語りたいと思います。

 

そのタイトルは――

 

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出典: www.amazon.co.jp

 

ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島

 

FILMシリーズでは絶対やらない"異質"さ

 

FILMシリーズと言えば、どれもワンピースらしさ満点で、過去の映画の正統進化と呼べる仕上がりになっています。ワンピースが好きな人ならどれも楽しめるクオリティと方向性と言っていいでしょう。

 

しかし本作は歴代映画の中でも唯一無二。

 

絶対にFILMシリーズでも真似することのできない内容となっています。

 

というか、人によってはこの映画が大嫌いでしょうし、FILMシリーズでこれをやると、離脱するファンが出てくる恐れがあります。

 

それほどまでに"異質"な作品となっているのです。そしてそんな本作を監督したのは、アニメファンでなくても知っているあの人・・・細田守です。

 

FILMシリーズでは絶対やらない"異質"さ

 

監督の細田守さんは「時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」「バケモノの子」「劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」、そして現在公開中の「未来のミライ」などが有名な監督さんです。全体的にポジティブで過激さ控えめな作品が多いですね。

 

そんな細田守さんが2005年、時をかける少女の少し前に手掛けたのが本作「ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」です。

 

一体この作品の何が異質なのか、ですが、それは「ワンピース」としても細田守監督作品としても本作が限りなく暗くネガティブな作風だからです。ワンピースを使ってヱヴァQをやるかのようなインパクトがあります。

 

www.youtube.com

リアルな人間模様!麦わらの一味の空気が最悪

 

上の予告からは想像もつきませんが、本作における麦わらの一味の関係性は最悪です。普段彼らが衝突するときと言えば、やむを得ない事情やどうしても譲れない信念に起因するものがほとんどですが、本作は違います。

 

クッソどうでもいいことで揉めます。

 

これは別に悪い意味で言っているわけではありません。言い方を変えるとめちゃくちゃリアルな喧嘩の描写だと感じました。現実世界の喧嘩なんて、フィクションの常識に当てはめて考えれば、かなり訳が分からないものばかりです。第三者から見ると共感し難い理由で喧嘩をしています。

 

そのリアルなピリピリした現実世界の人間関係を、麦わらの一味に当てはめてやっているのが本作です。ナミとウソップが、ゾロとサンジが、いつものギャグではなくガチで喧嘩をして、ガチで空気が悪くなります。

 

ヱヴァQにおけるシンジが追い詰められていく時のような居心地の悪さを感じます。そしてそれこそが、本作のテーマに直結するのです。

 

麦わらの一味全滅!ガチホラーな恐怖描写

 

本作でよく言われるのが完全にホラーだという意見です。実際、楽しいオマツリ島の住人の狂気がどんどん見えてきて、少しずつオマツリ感が失われていく感覚はゾクゾクする怖さでした。そして、一人、また一人と麦わらの一味が消されていく様も、ちょっと怖いとかではなく、紛れもなくホラー映画の文法で描かれています。

 

そして極め付けは、男爵と対峙したルフィの見た変わり果てた仲間の姿…

 

これまで見て来たどのワンピースの描写よりもショッキングでした。厳密には死んでいないのですが、死んでいるよりも酷い状態になります。

 

クケケケケケケケ!

 

パッケージにも映っている可愛らしい花。あれが豹変して狂気じみた笑い声を上げて、無数の矢がルフィに降り注ぐシーンは、あまりの恐怖に当時劇場内では子供の泣き声が聞こえてきました。(マジです)

 

全てを失ったルフィ

 

エースを失ったとき、ルフィは長い月日を掛けて復活しました。本作では仲間全員を失って、ルフィ自身も瀕死の重傷を負います。そしてなんと、ルフィにゾロたちに代わる新しい仲間ができます。この仲間というのが映画オリジナルのキャラクターたちなのですが、彼らもルフィ同様仲間を失ったものたちです。

 

めちゃくちゃ衝撃の内容ですね。

 

クライマックスに一味が不在で、ルフィと新たな仲間たちで男爵に立ち向かいます。

 

まとめ

 

これまでとは全く異なる角度から「仲間とは?」というテーマに切り込んだ本作。一見するとワンピースらしからぬ作品ですが、しかし確実にワンピースでなければできない作品となっています。FILMシリーズなど直球な傑作が多数出ている今だからこそ、こういう変化球的な作品を見てみるのもいいかもしれませんね。